血液型は単なる血液のタイプを表しているだけではなく
その人の体質や免疫特性をあらわし、
その特性は強いては行動や性格に大きく影響し
血液型によって一定の傾向を示します。
血液型は個人の特性に大きく影響しています。
|ABO式血液型とは
我々が血液型別性格を話題にしているのはABO式血液型です。
ABO式は赤血球における抗原抗体反応の現象によって分類し、
その抗原のタイプを表しています。
抗原とは免疫反応が起こる原因となる物質です。
このほか血液型はルイス式やRH式などが知られています。
ABO血液型では、血液はA型、B型、O型、AB型の4つに分けられます。
赤血球はA型にはA抗原、B型にはB抗原、AB型にはAとBの両抗原がありますが、
O型にはA,Bの抗原はありません。
つまり、ゼロなのですが、便宜上O(オー)としたのです。
一方、各個人の血清には、赤血球と反応する抗体があって、
A型にはB抗原と反応する抗B、
B型にはA抗原と反応する抗A、
O型には抗Aと抗Bがあります。
しかし、AB型にはどちらの抗体もありません。
抗体とは抗原に反応し攻撃するタンパク質です。
この関係を表にすると下記のようになります。
血液型 | 血球の抗原 | 血清中の抗体 | 日本人の割合(近似値) |
---|---|---|---|
A | A | 抗B | 40% |
B | B | 抗A | 20% |
O | なし | 抗A、抗B | 30% |
AB | AとB | なし | 10% |
輸血では違った血液型を輸血すると抗原抗体反応が起こって血液は
凝縮してしまいます。
以前はO型は誰にでも輸血できると言われていましたが、
それは間違いで同じ血液型である必要があります。
基本はA,Bはお互い反応しあい、
O型は原因の抗原は持っていないがA、Bの抗原に反応し、
AB型は原因となるA、Bともあるが反応する物質がないということになります。
|A型B型の抗原物質とは?
実はこのABO式の血液型は血液の性質をただ単に表しているのではなく
人の体そのもの特性、体質を表しています。
抗原となるABO式の血液型物質は糖鎖と言われるもので
人の細胞のあちらこちらの表面のたんぱく質に取りついています。
赤血球の表面だけでなく
体のあちこちの細胞、髪の毛や内臓、脳、神経、内臓、表皮、筋肉、内分泌液など
人体のあらゆるところに存在しています。
胃では100%、腸では50%以上認められている物質です。
(*糖鎖と糖の化合物でオリゴ糖やグルコースなどで各種ある。たんぱく質や脂肪と結合して
糖たんぱく、糖脂肪を形成します。)
つまりこの物質は人体の主要な構成物質そのものであり
その人の体質的な特性を顕わすもので、
たまたま赤血球で先に見つかっただけで、血液型物質とされただけなのです。
更には生物全般に存在する物質です。
|ABO型血液物質による特性
この物質はまた広く自然界に存在していろいろな生き物の生体を構成しています。
ABO型血液物質は古代より地球の生命体と共存してきた物質で
細菌から動物、植物まであらゆる生き物に存在する遺伝する物質です。
この物質は太古の時代に細菌によって合成する能力が獲得され
それ以降生き物進化とともに綿々と生命体と共存してきたものと考えられます。
実際に人間の腸内に住んでいる何兆もの細菌もABO型の物質を持っています。
この物質はその細菌や生物の生命的な特質や免疫力に大きく影響していったと考えられます。
そして免疫力はその生き物の生態や個人の性格性質に大きく影響します。
この物質の影響で感染しやすい病気や寄生虫なども生じて、
食べ物に対する好みや行動も大きく変わってきます。
それによって個人の性格の差など表れるのは必然ではないかと考えられます。
|人類は皆、O型だった??
現在のホモサピエンスがアフリカに誕生してから10万年が経過していますが、
そもそも人類はみなO型だったと考えられています。
3万年くらい前に人類はアフリカから旅立ちやがて全世界に散らばっていきましたが、
世界の先住民族がほとんどO型であることから推測されています。
人類が最後きたどり着いた未開の地アマゾンではほぼ100%、
離れた大陸オーストラリアに定住した先住民族アボリジニもO型が大半です。
O型は狩猟採取民族的な血液型と考えられます。
狩猟時代はO型の全てがO型の肉類を消化するに有利な胃腸でした。
胃酸を多く分泌して野生の動物を食べつくしていきました。
|細菌が作ったA、B型血液
そしてこの人類皆O型だった血液型にA,B型が生まれたのは
腸内細菌によるものでした。
それは食生活に大きく影響されたものです。
食物によってその食物を好む腸内細菌の型があり、
その型が多く存在するようになるとその物質に対する抗体を作らなくなっていったのです。
つまりA型の腸内細菌が増えるとA型の抗体を作らなくなり、
A型物質を容易に体内に取り込むようになります。
腸内細菌の血液型物質が体内に入り込むことによって
ABO型が生まれたのでした。
|A型の誕生
A型はアジアのモンゴロイドで生まれました。
アジアに分散したモンゴロイドは植物の栽培を始めて定住するようになって
日々の食料も変わっていきました。
肉食から穀物や野菜に適した腸内細菌の構成に変わっていったのです。
つまりそれはA型細菌中心です。
やがてA型の腸内細菌からA型物質を腸内から取り込んでいき血液に付着し
A型の血液型が生まれてきたと考えられます。
つまり、A型は農耕民族的な血液型と考えられます。
実際日本人にはA型が一番多く存在します。
|B型血液型の誕生
B型はヒマラヤの山岳地帯の麓で生まれたと考えられます。
彼らは家畜を飼育し、家畜の肉と乳製品を主体に生活するようになります。
特に乳製品を分解するに適した腸内細菌が多きく増えて、それがB型細菌が多く、
やがて体内に取り込まれてB型物質が腸や胃、血液、体液に定着したものです。
1万年くらい前にB型血液型は遊牧民で生まれたものと考えられます。
やがてあちらこちらの民族と混血して各地に散っていったのです。
ヒマラヤのふもとのインドはB型が多いことが知られています。
やく40%がB型です。
|AB型の誕生
AB型の誕生はごく最近、1000年くらい前でした。
発掘などで分かったことですが、どうやら東方の騎馬民族が西方やヒマラヤ地区を
侵略したことによって誕生したと考えられます。
そのために島国日本ではAB型は一番少なく9%です。
お隣韓国は騎馬民族と近い影響もあり14%がAB型です。
このように最初O型だった人類は農耕や畜産を始めることによって
食生活が変わっていき、腸内細菌の住みやすい環境が変わり、
やがてA型、B型の物質が体内に取り込まれてA型B型が生まれて行った
と考えられます。
血液型は免疫に大きく影響を与えて更には性格までも
左右するようになったと考えられるのです。
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