現代人類の男女関係は哺乳類の中でも特に特殊です。
しかし、人類もその昔は現在の一夫一妻ではなく乱婚乱交が基本であったと考えられています。
男女や同性同士の性における争い余りなく、セックスは基本平等が原則だったのです。
|人類の男女関係のそもそも
現在の人類の直接の祖先はおおよそ10万年前にアフリカで発生した考えられています。
新人として世界各地に広まっていきそれぞれの民族として分化してきました。
およそ1万年前に農耕が始まりましたが、それまで人類は狩猟採取の時代を送ってきました。
新人(クロマニヨン人)の出現までには類人猿からの進化に
数百万年の時間を費やされてなされたわけですが、
人類の遺伝子の99.5%は現在のチャンパンジーやボノノなどの霊長類と変わりません。
これらの霊長類との進化的な分化はおおよそ500万年前に起こったとされています。
生態的にはほとんど根本は変わらないと考えられます。
そこに文明があるかないかの差だけです。
狩猟採取時代の人類の性的な生態もそこに見ることが出来るはずです。
これらの霊長類はのセクシュアリテイー(性的な行動)は
他の哺乳類と比べてかなり特殊であり、今でも人類にかなり近い様相を示しています。
彼らの性的な生態を観察することで人類の先祖のセクシュアリテーを理解することができ
そもそもの人類の性における生態を推測することが出来ます。
つまり男女間の性における関係性を類推できるのです。
|霊長類のセクシュアリテイー
チンパンジーやボノボは集団的に交尾する乱婚乱交の生態を有しています。
ゴリラなどは一夫多妻制の性態でハーレムを形成しますが、
そもそも生物学的にみて一夫一妻の生殖単位はかなり特殊です。
男女間の関係の模範とされる鳥類でさえ、夫婦で仲良く繁殖は形ばかりで、
メスが生む半数以上はその夫以外の遺伝子であることが分かっています。
鳥たちのオスは目を盗んでは近所の奥さんにちょっかいを出し、
近所の奥さんたちも間男ならぬ間鳥を受け入れているのです。
すなわち生物学的には一夫一妻制はかなり特殊な形態なのです。
ボルボはピグミーチンパジーと言われ、もっとも知能が高く人類に近いとされています。
彼らは人類と同じくメスは排卵日を隠し日常的にセックスを行います。
また挨拶としてセックスを行うことも人類に酷似し、
アニマルポーズではなく正常位でセックスすることも良く知られています。
ボノボのセクシュアリテーは乱婚乱交で子供は集団的に養育をします。
オスは自らの子供であるかどうかの父性の確証を得ることはなく、
もしかしたら自分の子供かも知れないという認識でいます。
従って子殺しはめったに起こりません。
ライオンなどのハーレムを作る動物では自分の遺伝子ではない
子殺しは頻繁に起こります。
|文明以前の人類の婚姻関係
農耕がはじまり文明が起こり思想や宗教を発展させてきた人類は
性的な倫理基準を設定し厳格に守るように努めてきました。
それが現在の愛と言う絆で結ばれた一夫一妻であり、それこそが人類が他の獣たちと
根本的に違う人間性の証としてきました。
しかし、西洋文明がいきわたらなかった社会では我々が先祖以来続けてきた男女関係における
現代文明社会とは全く違うセクシュアリテイーを観察することができます。
そこには西洋の文明化された社会とは違い、
男女関係において争いのない平和で平等な社会が展開していました。
|西洋化されてない社会の男女の性的な関係
つい近年まで、また現在も狩猟採取生活を送っている南米や北米、
太平洋島しょ地区の部族たちは
ほとんどは乱婚乱交の婚姻形態をとっていました。
彼らは財産を持つことはなく採取したり捕獲した食糧、
住居を分けあって平等の生活を送っています。
そしてセックスも例外ではなく平等な社会を展開しています。
乱交乱婚が男女関係の基本であり、女性を力で一人が独占することはありません。
むしろ女性が中心となって積極的に性を男たちに分け与え、
食糧の返礼やお互いの団結の為のツールとしています。
女性がセックスを平等に与えることを拒むことは
仲間からの非難を浴びることにもなりました。
乱婚で生まれた子供たちは部族の子として育てられ、
男たちももしかしたら自分の子供かもと思いから平等に可愛がったのです。
これが人類の基本の男女関係であり、
そこには特定の愛だの恋などは存在しなかった考えられます。
あったのは平等と慈愛です。
平和と幸福感に満ちた社会でした。
それを壊し去ったのは西洋的な経済主義と男女の倫理観です。
|人類の基本は乱交乱婚の社会
このようにもともとの人類は、狩猟採取時代の人類は
乱婚乱交が基本であったと考えられます。
そこには支配もなく私的な財産も存在せず、
全ては分かち合いの世界でした。
そしてセックスも全てすべからく平等であり、恋愛上の争いありませんでした。
どのような男性女性でも食料と性は手にすることが出来ました。
乱婚は更にはメスたちのオスによる子殺しを未然に防ぐ知恵でもあったのです。
メスたちは積極的に乱婚を行ったと考えられます。
雄たちの強烈なテストステロンの暴力性を押さえる手段でもありました。
|女権社会
女性は男性に従属するものではなくむしろ女性中心の性生活を展開していました。
女性たちは奔放で自由に快楽を楽しんでいたと考えられます。
雄と同じように性の喜びに浸っていたのです。
男性は集団で狩りをして、その獲物に対して女たちは
セックスで返礼を集団に対して平等に行っていました。
女性たちは性で男たちを支配しコントロールていたとも考えられます。
部族同士もめったに出会うことはなく争いなどもなかったようです。
農耕以前はせいぜい人類の人口は10万人レベルでした。
お互いが広いテリトリーを持ち、財産や女性の略奪などもめったに
なかったと推測されます。
なぜなら、ごく最近の未開地の部族はそうでした。
争いは我々が教えられているような頻度では起こらず、
たまたま勃発した時には別の手段で解決しています。
|男の不埒な性欲は当然
現代人にもその性的な生態は色濃く受け継がれています。
特に男性のセクシュアリテイーは
脈々とその本能部分をそのままの形で残していると言えます。
世界中どこへ行っても男たちは多数の女性に興味をもち、
恋愛とは別な次元でセックスへの要求を強く抱きます。
いつも女性を見れば抱きたくなるのはあなただけが異常で性欲が強いためでもなく、
またあなたの性格に由来する不埒な浮ついた心でもありません。
その性欲は人類が脈々と受け継いできた遺伝子の命じるところなのです。
女たちに個人的な不実の証と責められるいわれなどないものなのです。
人類のそもそもの性行動は乱婚乱交であり
性的にはすべて平等であったと推測されます。
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